MOCHIYA BLOG

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霊ビデオ(1997)



思春期物語と心霊ホラーがバランス良くブレンドされた、関西テレビ版『学校の怪談』の1編。
この頃の小中脚本同様、ここでもビデオを介して幽霊が現れる。幽霊自体はちらっとしか写らず、ノスフェラトゥのような青白い造形。霊ではないけれど、後に『リング』でおなじみになる“恐怖でゆがんだ死に顔”は、おそらくこれがプロトタイプ。
未だDVD化されていないので、レンタルVHSを探すしかないけれど、「廃校綺談」も収録されてるのでおすすめです。

学校の怪談f [VHS]

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心霊ビデオ(1996)

  • 監督:鶴田法男
  • 脚本:小中千昭
  • 「呪われた美女たち〜悪霊怪談」収録

ギリギリガールズが主演したお色気ホラーオムニバスの中の1編。ドラマの編集中、ビデオに端に赤い服の女性が写り込んでいて、見返すたびにその女性が大きくなっていき、それがやがてモニタを抜けだしこちらにやってきてしまうという都市伝説的ホラー。この設定はその後も怪談本やホラー映画で使われてきたけれど、ベースになったのはおそらくこちら→(参照:あっちの世界ゾーン「祟り…しかし…」※音が出るページあり)
<追記>鶴田監督のセルフライナーによると、自身による実体験とのことです。

幽霊は赤いワンピースを着ていて、顔は口だけののっぺらぼう。初期の鶴田作品にはこののっぺらぼう幽霊がよく登場する。クライマックスでのショッカーシーンは何度見てもびくっとしてしまう。

悪霊怪談 呪われた美女たち [DVD]

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サイキック・ビジョン〜邪願霊(1988)

アイドルの新曲キャンペーンを追うドキュメンタリー撮影中に怪異が起き、そのお蔵入り映像を再編集したという設定のフェイク・ドキュメンタリー。Jホラーの重要人物小中千昭が脚本を手がけた最初期のビデオ作品ではあるけれど、基本ドキュメンタリーの体裁をとっているため、『リング』のようなホラー映画を期待して観ると肩すかしを食らうかもしれない。スタイルとしてはむしろ『ほんとにあった!呪いのビデオ』や『放送禁止』に近い。

クライマックスに起こるポルターガイストや霊にとり殺される場面などは、正直前時代的で低予算ゆえのチープさを否めないけれど、テロップによる状況説明や撮影された映像の隅に白いワンピースを着てぼんやり写り込んでいる幽霊描写はユニークで、のちのJホラー演出の原型になった。撮影されたフィルムを通して怪異が起こるという設定も、Jホラーでは定番。

演出:石井てるよし
構成:小中千昭
出演:竹中直人、石山一枝、梅原正樹、佐藤恵美
49分/オリジナルビデオ/1988年

邪願霊 [DVD]

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