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降霊(1999)






東京ではゴールデンタイムの2時間ドラマとして地上波放映された。この頃は関西テレビ版『学校の怪談』も『女優霊』も知らなかったので、とにかく怖かった記憶がある。心霊ものに耐性のついた今、改めて見てみてみると、その幽霊表現は怖いけれど、ドラマとしてはサスペンス、ミステリに主軸がおかれていることがわかる。特に犯罪を犯してしまった後半は、ホラーとは違う不安感をかきたてられる。
霊能力のある主婦(風吹ジュン)が大学で見てしまう黒い影の幽霊からファミレスでの邪悪な赤い服の足無し幽霊、そして誤って殺してしまった緑の服を着た少女の霊まで、幽霊が見本市のように現れる。さらには後の『ドッペルゲンガー』を思わせるワンシーンも。黒沢作品では物語上生きている人間も照明の当て方で幽霊のように撮ることがあり、冒頭、風吹ジュンが壁際に佇むシーンは今回見返すまで幽霊だと思っていた。

降霊 ~KOUREI~ [DVD]

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