幽霊ノート

Jホラー(映画・ドラマ)の作品レビューなど

ほんとにあった怖い話 第二夜(1991)

鶴田法男と小中千昭が出会うきっかけになった心霊体験再現ドラマのオムニバスビデオ『ほんとにあった怖い話』(同年)に続く2作目。このあとにも同じコンビで3作目『新・ほんとにあった怖い話 幽幻界』(1992年)、『戦慄のムー体験』(1994年)を制作しているけれど、Jホラー的に注目すべきはこの2作目に収録されている「夏の体育館」と「霊のうごめく家」。

●「夏の体育館」は肝試しで真夜中の体育館に忍び込んだ少女たちの心霊体験譚。放送室に現れる女幽霊は、顔を半分長い髪で隠し、赤いボディコン姿でかくかくと迫ってきて、かなり怖い。ここではまだ足下を半分透けさせて幽霊であることをわかりやすくしているものの、その後のJホラーの幽霊造形の基本になった。

●「霊のうごめく家」は借家に越してきた家族が体験する心霊現象をドキュメンタリータッチで淡々と追った、Jホラー黎明期の傑作短編。子供向けのたわいのないエピソードが多いなか、大人の鑑賞にも堪えうる深みのある脚本と演出で、このまま長編にもなりそうな出来。引っ越したばかりの感情の不安定さと心霊現象による恐怖をうまく重ね合わせ、たとえ心霊現象が起きても、そのことだけに翻弄されず、日常生活は続けられているところがリアル。ここで現れる地縛霊は、上下黒ずくめの男性。顔を多少メイクしてはいるものの、そのまま普通の人間が演じていて動きはほとんどない。異形にならないように幽霊らしさを出そうとする方法のひとつで、その後、黒沢清などに継承されていくたたずむタイプの幽霊の元祖だけれど、こちらはノンエフェクトで幽霊としての記号が少ないので、今見るとやや微妙ではある。

ちなみに、のちのフジテレビ版「ほんとにあった怖い話」で同じく“借家もの”「憑かれた家」(2003年/ユースケ・サンタマリア主演)を鶴田演出で撮っていたのだけれど、オープニングのショットはこの作品を自ら引用していた。

監督:鶴田法男
脚本:小中千昭
出演:
「夏の体育館」中島佐和子、春原由紀、寺田恵美、水沢杏子
「霊のうごめく家」小笠原亜里沙、藤生有紀子、竜のり子、金箱和見、島津えり、伴直弥
「真夜中の病棟」相沢朱音、金巻陽子

60分/オリジナルビデオ/オムニバス/1991年

▼国内盤が入手困難な場合はこちらの海外盤もオススメ。リージョンALL/NTSC規格なので一般的なプレイヤーで試聴できます。

Scary True Stories: Ten Haunting Tales From Japan [DVD] [Import]

Scary True Stories: Ten Haunting Tales From Japan [DVD] [Import]