読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

幽霊ノート

Jホラー(映画・ドラマ)の作品レビューなど

学校の怪談/関西テレビ版(1994)

関西テレビ系で1994年1月14日から1994年3月25日まで放送された学園ホラードラマシリーズ。全11回。そのうち6回分が3巻に分けてビデオ化されている。構成は小中千昭で脚本を担当している回もある。
ここで黒沢清がはじめてJホラーにアプローチをしているが、ソフト化されているのは「花子さん」のみで、ほかの2話は残念ながら未見。

●「花子さん」:学校に伝わる花子さん召喚のうわさを仲の良い中学生3人組がなんとか試そうとする。
不自然にはためくカーテン、窓にうつる不気味な木の影、突然倒れる消化器など不穏はシーンはありながら、基本は黒沢清らしいオフビートのコミカルな青春ドラマで、ちょっとジュブナイル的でもある。クライマックスについに登場する花子さんは赤いドレスを無理矢理着たレザーフェイスのような出で立ちでゆっくりと向かってくる。自身が公言しているように、このシリーズでは『ほんとにあった怖い話 第二夜』の影響を強く受けていて、ここでの描写は「夏の体育館」の幽霊が下敷きになっている。最初にひとりだけ召喚を成功させ、しばらく行方不明だったクラスメイトの村井が実は幽霊だったと妄想すると怖い(そんな描写はないけど)。

第3回「花子さん」(1994年1月28日放送)
監督:黒沢清
脚本:黒沢清
出演:本田智一、車和也、寺田卓司、石原誠、南条好輝、佐藤雅夫、築山周典、高宮武郎、樹美穂、東川和生、大和綾子、大駅俊介

第4回「音楽室の少女」(1994年2月4日放送)※未ソフト化

監督:黒沢清
脚本:相良敦子
出演:福田賢二、藤田香織、白川明彦、金井信一郎、大元崇生、山中康弘、山本弘、表淳夫、相沢伸江、山内勉、金森有美、中萩しおり

第11回「あの子はだあれ?」(1994年3月25日放送)※未ソフト化
監督:黒沢清
脚本:黒沢清
出演:馬渕英俚可、上園小雪、上村厚文、新海百合子、小牟田玲央奈、三品守、加来朋子、木村佳代、吉井基師、池田俊介、本田和之、小谷豪純、乾圭吾、行政浩司、森あつこ、金端三千代、逢坂幸広、佐々木かおり

各25分/TVシリーズ/オムニバス/1994年

学校の怪談 第1巻 [VHS]

学校の怪談 第1巻 [VHS]

 

花子さん(2001)



黒沢清が関わった『学校の怪談』では今のところ一番新しい作品。初期の宝塚映像時代にも「花子さん」を撮っていて、直接的ではないけれど、今までの作品(「廃校綺談」「木霊」など)を振り返るような内容になっている。
過去、いじめで自殺に追い込んだ同級生を成仏させるために、花子さんを呼んだところ、逆にその同級生の霊と花子さんが結託してしまい復讐されるというストーリー。花子さんは真っ赤な頭巾を着てゆらゆらと近づき、自分の顔をむりやり見せようとする。その顔を間近で見たものは恐怖のためか蒸発するように消えてしまう。『回路』(2000)でも採用されていたこの<霊を見る→死後の世界を知る→自我が崩壊する→消えてしまう>というシステムは黒沢清独特の哲学。

学校の怪談 物の怪スペシャル [DVD]

学校の怪談 物の怪スペシャル [DVD]

霊のうごめく家(1991)

  • 監督:鶴田法男
  • 脚本:小中千昭
  • 「ほんとにあった怖い話 第二夜」収録



借家に越してきた家族が体験する心霊現象を淡々とつないだ、ジャパニーズホラー黎明期の傑作短編。引っ越したばかりの感情の不安定さと心霊現象による恐怖をうまく重ね合わせている。たとえ心霊現象が起きても、そのことだけに翻弄されず、日常生活は続けられているところが実話怪談的。
ここでの幽霊は、上下黒ずくめの男性。顔を多少メイクしてはいるものの、そのまま普通の人間が演じていて動きはほとんどない。異形にならないように幽霊らしさを出そうとする方法のひとつで、その後、黒沢清監督『回路』(2000)などで洗練されていく幽霊の元祖だけれど、こちらはノンエフェクトで幽霊としての記号が少ないので、リアルではある(んだろう)けれど今見るとちょっと微妙。
ちなみに、のちの「ほんとにあった怖い話」で同じく“借家モノ”の「憑かれた家」(2003/ユースケ・サンタマリア主演)を鶴田演出で撮っていたのだけれど、オープニングのショットはこの作品を自ら引用していた。

Scary True Stories: Ten Haunting Tales From Japan [DVD] [Import]

Scary True Stories: Ten Haunting Tales From Japan [DVD] [Import]

ほんとにあった怖い話「第二夜」 [VHS]

ほんとにあった怖い話「第二夜」 [VHS]